株式投資で巨万の富を目指して

サラリーマン投資家よっぴーの資産運用録。

企業の怠慢と国家の横暴(海賊版サイト遮断への疑問)

こんばんは、よっぴーです。
 
 
4月11日より漫画の海賊サイト「漫画村」にアクセスできなくなったようで、ネットニュース、新聞を賑わせています。
 
政府はプロバイダーに対し、海賊版サイトへのブロッキングを要請することを検討しているようです。
 
これに対しては、海賊版サイトによる被害額が莫大であることからやむを得ない措置だと容認する意見がある一方、憲法にある「通信の秘密」の侵害にあたるとの反対意見も出ています。業界で言うと、日本インターネットプロバイダー協会は反対の意見を出し、出版社は賛成意見を出しています。
 
私個人としては、ブロッキングには反対です。
 
政府が見てもよいサイト、見てはいけないサイトを決め、そのサイトへの通信を遮断するというのは検閲そのものです。これを一度許せば、国家の暴走を止められなくなります。政府は「緊急避難」なるものが適用できると判断したようですが、憲法とは国家を縛る鎖であり、国家から国民を守るためのものです。だからこそ、その鎖を一時的に解くための例外措置は簡単に利用すべきはありません。
例外措置という名の横暴が易々とまかり通るのであれば、憲法の存在意義はどこにあるのでしょう。
 
それに、企業は自ら環境の変化に適応すべきあり、国家にその救いを求めるべきではありません。はっきり言って海賊版サイトによる被害とは、出版社が時代に適応できていなかっただけのことです。海賊版サイトによる経済的損失があることは理解しますし、それによって著作者に適正な利益をもたらせていないことも理解しています。しかし、著作者に適正な利益をもたらせていないのは出版社の怠慢です。漫画が誕生してこの方、未だに購入者に対して「漫画が読める」という価値しか提供できていなかったことが問題であり、そのために時代に取り残されただけのことです。
 
音楽や映像はいち早く電子化されており、電子化がもたらす変化、影響はすでに周知のものです。電子書籍を提供し、それが一般化された時点でそれに対応すべきだったのです。
民間のテレビ局が視聴者に利用料求めているでしょうか。FacebookInstagramYouTubeが、その素晴らしいサービスを提供する代わりに利用料を求めているでしょうか。
紙媒体が中心であった時代に漫画で広告収入を得ることは難しかったかもしれませんが、電子書籍であればそれが可能です。アニメでスポンサーが付くコンテンツであれば、漫画にもスポンサーは付きます。実際、民間人であるユーチューバーは、自ら作成したコンテンツから得られる広告収入で生計を立てています。漫画でもそれをするだけのことです。
出版社はそれをしてこなかったツケを払わされているのであり、そのあおりを受けているのが著作者です。現状、漫画家に適正な対価を支払う義務を負っているのは出版社であり、漫画を読む人ではありません。
 
つまり、出版社は被害者であると同時に加害者でもあるのです。
政府は、それを救うために憲法で守られている国民の権利を侵害すべきではありません。
 
誤解を恐れずに言えば、みんなが漫画を買うことで漫画家の生活が支えられ、そのおかげで漫画を描き続けられるのだというのも偽善です。極端な話、直接漫画家に寄付すればいいだけのことだからです。
漫画を買うときに、これを買うことで自分は漫画家の生活を支えているのだなんて意識している人がいるでしょうか。私自身は漫画をほとんど読みませんが、漫画を買うのはその漫画が読みたいからであり、誰かの生活を支えたいからではありません。また、私たちが漫画を買っていたのは、今まではそれしか漫画を読む方法がなかったからというだけで、別の形でサービスが提供されるのであれば、それが何であれ結局のところかまわないのです。
 
もちろん、現状海賊版サイトは違法であることに変わりません。しかし、あらゆるサービスがフリーで提供されていることをもっと認識するべきです。努力せず、提供する価値はそのままに、未だに「対価=利用者が金銭で支払うもの」との認識でしか世の中を見れないのであれば、そのような企業は遅かれ早かれ市場から退場させられるでしょう。Googleマップなど充実した無料地図サービスがあるなか、ゼンリンのように収益を上げている地図ソフト制作会社もあります。それは、提供する価値を変え、対価を払うに見合っただけのサービスを提供できているからです。
 
技術の進歩は、あらゆるものに変革を求めているのです。そこに例外はありません。投資をする上では、そのような変革についていけない企業を見極めることも重要ですね。
 
 
それではまた!