キヤノン、この困った高配当株
こんばんは、よっぴーです。
キヤノンの第二四半期決算発表がありました。
その内容は、前年対比で売上は10%減、利益は50%減という中々に厳しいものでした。それだけでなく、通期業績の下方修正というおまけつきです。
不幸中の幸いは、減配発表がなかったことでしょう。
しかし、EPS 61.22円に対してDPS 80円です。通年で見ても、EPS 149.54円に対してDPS 160円となっており、利益以上に配当を支払っています。なんと配当性向は100%以上。
と言ってもキヤノンは過去に減配したことがなく、また過去に100%以上の配当性向となったこともあります。支払い配当金が2,000億円程度に対し、現預金が5,000億円近くあり、利益剰余金は3兆円を超え、自己資本比率は6割あるので、今期直ちに減配とはならないでしょう。
今の株価で換算すれば、配当利回り5%越えの高配当株の地位はまだまだ続くと言えます。
問題は、その業績の中身でしょう。
主力事業は軒並み減収減益で、増益を確保したのは新規事業であるメディカル事業だけです。しかしこの事業、1兆7,700億円の売り上げに対して2,000億円程度しかありません。利益率も約5%程度で、業績へのインパクトは大きくありません。
減収の主な理由は為替なのでしょうが、減益の理由がいまいち読めません。為替の影響を除いた場合の減収率に比べて減益率が大きいので、固定費を吸収しきれていないのかもしれません。値引きのし過ぎなのか、設備投資が過剰なのか。
いずれにせよ、劇的に業績を改善させる要素が見当たらない以上、今期もう一段の下方修正が行われる可能性を含んでいます。このままでは、頼みの綱の堅牢な財務体質もじわじわ蝕まれていきます。
そして主力事業は競争が激しく、大型の設備投資が避けられない以上、利益剰余金を削っての配当はもいずれ限界を迎えます。無邪気に、5%の永久債だなんて言っていられません。
しかし、今の段階で売るのは惜しい気もします。減配だけを心配するならば、あと1、2年様子を見てもいいのかもしれませんが、予断を許さないでしょう。
実に悩ましい。
日本を代表する高配当株と見るべきなのか、成長性を見限られた落ち目の株と見るべきなのか。その判断が今後の明暗を分けますが、今のところの比率は3:7です。
しばらくは、キヤノンをどうすべきか悩む日が続きそうです。
たった100株保有とは言え、30万円あれば投資先の選択肢は何百、何千とあります。それらを無視してまで心にモヤモヤを抱えるのは、精神衛生上良くありません。
一度手放し、上がるも良し、下がれば再度購入を検討するというのも一つの手です。少なくとも、今の配当金で利回り5%というのが適正なのかは検討した方がいいかもしれません。
ああ、どうしようか。本当に困った子です。
それではまた!