アスクルの社長解任劇に見た違和感
こんばんは、よっぴーです。
先週の金曜日に行われたアスクルの株主総会にて、社長と社外取締役3人が再任されず退任となりました。
ことの発端は、アスクルの業績悪化とLOHACO事業のヤフーへの譲渡を拒否したことで、それを受けて早々に45%の株を持つヤフーが反対票を投じることを表明し、11%の株をもつプラスもヤフー支持を表明したことであえなく退任が決まりました。
会社は少数株主の利益を無視した行為ではないかと世論に訴えたのですが、その後、少数株主であるレオス・キャピタルワークスなどがヤフー支持を表明するなど、事態は複雑な様相を呈しました。
それにしても今回の出来事は、株式会社とは何かを考えさせられる貴重なものとなりました。
まず大前提として、株式会社における議決権は一株主一票ではありません。一株一票です。つまり、株を多く保有すればするほど発言権が増します。それだけリスクをとっているのだから当然のことですね。
それから株の保有割合による会社への影響力ですが、
3分の1超 特別決議の単独否決が可能
過半数 普通決議の単独可決が可能
3分の2超 特別決議の単独可決が可能
となっています。
よって、50.1%以上で会社の多くの支配権を手にでき、66.7%以上で意のままにすることができるのです。
そして普通決議には取締役の選任と解任が含まれており、取締役とは即ち株主から経営を任された立場であり、ヤフーとプラスの二社が反対に回った時点で取締役がどれだけ抵抗しようと勝負はついてしまっているのです。
それらを踏まえ、今回私が感じた違和感は「支配株主は少数株主に配慮しなければいけないのか」という点です。
私の考えを先に言うと、配慮する必要はない、です。
何故かと言えば、株をどれだけ保有すると何ができるかははっきり明文化されており、支配株主のいる会社への投資は当然にしてそのリスクを受け入れたうえで行うべきものだからです。
それに、支配株主が少数株主に配慮しなければならないのであれば、株を多く保有する意味がありません。国会の決議と同様、株主総会の決議も多数決で行います。そして多数決とは、少数意見の排除という一面も持っているのです。
支配権確保を目的に株を保有するのだから、それが支配株主だろうがそうでなかろうが、どう行使するかは株主の自由でしょう。
今回の一件を、支配株主の横暴と言えばそうかもしれません。しかし少数株主にしても、気に入らなければ株を手放せばいいだけのことで、それに縛られる必要はありません。
株式会社は誰のものか、そしてその意思決定がどのようにして行われるのかを理解すれば、投資家としては自ずとそういう結論になる気がします。
一方で、株主、経営者、従業員と立場がそれぞれあり、どれか一つが欠けても会社が成り立たないのも事実です。
会社経営は損益という形ではっきりと結果が出るものですから、今回の判断が良いものだったのか悪いものだったのかはいずれはっきりするでしょう。
それではまた!