カルロス・ゴーン逃亡。個人vs国家の行方。
こんばんは、よっぴーです。
去年の年末、たった一つのツイートが日本中の注目を集めました。
「私は今レバノンにいる。」
そう。金融商品取引法で逮捕され、保釈中だったカルロス・ゴーン被告が、突然レバノンに現れたからです。
入国管理の欠陥、司法制度の野蛮さが誇張され、日本はメンツが潰された格好です。これがゴーンvs日本という戦いの幕が開けたわけですが、これがどれくらい続くのかは不明です。
その第一ラウンドが、1/8のゴーン氏の記者会見でしょう。
結果は、ゴーン氏の圧勝と言ったところでしょうか。
先制パンチとして、ゴーン氏はレバノンで多くの報道陣を集め、自分の身の潔白と日本の司法制度の批判を行いました。
それに対する日本の対応は、森法務大臣の「裁判で無実を証明すべき」発言でした。
その後、”証明”ではではなく”主張”に訂正されました。しかし、訂正前に本人がTwitterで文字にして”証明”と発信(現在は削除済み)していたそうなので、普通受け取れば”証明”は本心だったのでしょう。
この発言が問題になったのは、当然、裁判の大原則「推定無罪」に反しているからです。推定無罪とは、裁判において罪が確定しない限り、被告人は無罪であると推定されるため、「検察官が被告人の犯罪を証明し」なければならないという大原則です。
これを法務大臣が無視し、「裁判はこれからですが、あなたは有罪なので、そこまで自信があるなら裁判で無罪を証明してみなさいよ。」と言い放ったのです。
それでもって、森法務大臣は「弁護士」という肩書まで持っているのですから、お粗末そのものです。
ゴーン氏の主張する「日本では公正な裁判が受けられない」を、自ら認めてしまう結果となりました。
さらに記者会見の前日にキャロル夫人に対して偽証の疑いで逮捕状を出し、記者会見後に国際指名手配までしたのです。
これでは、日本が野蛮な国だと思われても仕方ないでしょう。
たまたま時期が重なっただけと言い訳しようとも、昨年4月の証人尋問でのことです。それだけを見ると今更感がありありです。
ゴーン氏が罪を認めない、もしくは今回のような反撃に出た時の切り札として温存していたのでしょう。お前が罪を認めさえすれば、お前の愛する妻は見逃してやるぞ。いつまでも否認すると、妻も豚箱に放り込むぞ、とか。
罪を認めなければいつまでも拘留される人質司法もさることながら、家族を人質にとる人質司法も恐ろしい限りです。これって、世界にはどう映っているのか気になります。
第1ラウンドはゴーン氏に軍配が上がったと思いますが、第2ラウンドははたしてどうなるでしょうか。
それではまた!