『肩をすくめるアトラス』を読み終わった
こんばんは、よっぴーです。
アイン・ランド著『肩をすくめるアトラス』。
1月中旬から会社の行き帰りで読み進め、4月についに読み終わりました。
今は6月ですけど、それはご愛敬と言うことで。
いやー、長かった。
そして、読み終わった後の高揚感はたまりません。
小説ですが、人生を変える力があるのは間違いありません。だてに、アメリカ人が「聖書の次に影響を受けた本」と言うだけのことはあります。
もし自分はどうあるべきか、どう進むべきかに悩んでいる人がいれば、読んでみることをお勧めします。めちゃくちゃ前向きになれます。
活字が苦手な人には地獄の日々でしょうが。
正直に言うと、1度では消化しきれないほどの熱量を持っていたので、もう一度時間をかけて読み直してからそのメッセージ性の感想は書きたいと思います。
ただ、それだけではさみしいので少し感想を書いておこうと思います。
まず残念な点から。
小説としてはものすごく読みづらいです。英語版を読めない自分が悪いのですが、日本語の文章としておかしな箇所が結構あります。
直訳に近いのでしょうか。
この読みづらさは、せっかく手に取った読者が挫折する原因になる気がします。ただでさえページ数がすごいので、ランドの思想に共感できる人、読書好きの人でなければかなり高いハードルです。
本書で最も重要なのはランドの強烈なメッセージなので、意訳、超訳ではそれが弱くなってしまうという訳者なりの考えがあったのかもしれません。
良かった点は、登場人物から発せられる圧倒的なメッセージです。
鉄道会社の副社長であるダグニー・タッガートが主人公ですが、その他の登場人物も主役級の活躍を見せ、多くの主張を繰り広げます。その主張の数々が心に響き、前に進む勇気をくれます。
私は特に、ハンク・リアーデンが好きです。
彼の家族、ダグニー・タッガート、フランシスコ・ダンコニア、さらには裁判での発言など、男前すぎます。生き様に惚れてしまいます。
伝えたいことが多すぎてまとめきれないのですが、実際に読んで感じとってほしいです。
また本書は、才能ある有能な人物がストライキを起こしたらどうなるをを描くディストピア小説と言われますが、私にとっては、合理的、利己的に生きることのすばらしさを説く自己啓発書のように感じました。
むしろ、自分の成功体験を書いたよくある自己啓発書よりも、これを読む方が余程強烈に自分を変えられます。
それ以外にも、あたなのためにと言う人や、他人に尽くせとと説く人たちにうさん臭さを感じていた私にとって、その答えを本の中に見つけた気がします。そして自分をもって生きること、その強さの美しさ、素晴らしさを教えられました。
また「利己的=自分勝手」とのイメージが強いですが、決してそうではありません。そう感じてしまうのは、利他的な考えから、相手が自分に何かしてくれるという期待を勝手に持ってしまっているからです。そして裏切られたと感じ、相手を自分勝手と感じてしまう。本当に自分勝手なのはどっちなのか、ということです。
本書に描かれる通り、本来、利己的な人物同士のやり取りとは、実にすがすがしく気持ちのいいものです。
他にもいろいろありますが、読み直しが終わったらまた書きたいと思います。
それではまた!