株式投資で巨万の富を目指して

サラリーマン投資家よっぴーの資産運用録。

毒を食らわば皿まで~楽天は毒まんじゅうか~

こんにちは、よっぴーです。

 

11月1日に驚きの発表がありました。そう、KDDI楽天の提携です。

KDDI楽天へ回線を貸し、楽天KDDIへ決済、物流基盤を貸すという内容です。

 

発表されてみれば、順当な組み合わせだったのかもしれません。

 

楽天×ソフトバンク

さすがにこの組み合わせはなさそうです。

だって、三木谷浩史孫正義楽天とヤフー、イーグルスとホークス、楽天モバイルとYモバイルですよ。そこにMNOのまで加わったら、もう何が何だか分からなくなります。いっそ統合した方がいいくらいです。

それに、楽天側はともかく、ソフトバンクのメリットは何?って感じです。

 

楽天×ドコモ

私はこれが本筋だと思っていました。

総務省が第4のキャリアと鳴り物入りで参入を認め、障害となる全国ネットワークは国が大株主のNTTの子会社であるドコモに貸させる。この筋書きが一番しっくりきていました。

ですが、お上が株主の会社と1代で楽天帝国を築いた三木谷社長とではスピード感が合わなかったのかもしれません。それに楽天モバイルはすでにドコモの回線を使っており、MNOまでドコモの力を借りてしまうと国に新規事業の生殺与奪権を握られかねません。これは起業家が一番嫌うところでしょう。

 

とすると、残るはKDDIだけ。au経済圏拡大を望むKDDIと全国ネットワークを望む楽天。業界トップの座を争ってしのぎを削っているのはMVNOくらいしかありません。しかもお互い純粋な民間企業ですから、提携するのに障害となるものがほとんどありません。ちゃんと考えれば妥当な結果です。

 

そして、この提携の陰にKDDIのしたたかさも見え隠れします。ドコモと提携されるくらいなら、と高橋社長が言いましたがまさしくその通りでしょう。これはネガティブな発言ではありません。

何故なら、だれも楽天へ回線を貸さなければ国が力ずくでもドコモに貸させるのだから、だれも楽天の参入を止めることも遅らせることもできません。そうすると、ドコモには楽天から回線料が入ります。ドコモはNTTグループのMNO事業を担うための子会社ですから、入った収入を丸ごと本業に投入するのみです。業界トップに力ずくでこられたら、他のキャリアには脅威でしかありません。

 

ならばいっそ回線を貸しだして対価をももらい、楽天の基盤を借りて自社の成長につなげた方が良い。これぞ経営判断と言うべきものでしょう。この狙いが吉と出るか凶と出るかはわかりません。しかし、大きな可能性を秘めていると言えます。

 

そしてそこに楽天の焦りが加わりました。

そもそも楽天は、既存キャリアより安い値段で参入して一気に顧客を奪うという戦略を描いていたのです。ところが、参入前に国が既存キャリアに向かって料金を下げろと騒ぎたて始めました。業界に競争生み出す旗振り役として登場したのに、一気にはしごを外された格好です。新規事業の大前提が一気に崩れたのです。

官房長官の話には、三木谷社長も怒り心頭だったのでは?と推測しています。国を利用してやろうと思っていたのに、逆に菅官房長官の人気集めに利用されただけだったのですから。

 

ここまで来れば、後はもうとんとん拍子でしょう。

 

それにしても、参入前から業界№2と№4のキャリアが業務提携。国も驚いたでしょうね。いかに国や政治家が経済音痴かを示す格好の事例となりました。

政治家が口を出しても経済は好転しませんし、民間企業の合法的な事業をやり玉にあげて人気取りに使うなどもってのほかです。民間に任せて手出しをしないことこそ経済発展を促す一番の方法だと、政治家は歴史から学ぶべきです。

 

MVNOがすでに多く存在する時代です。何時でも誰でも通信費は安くできるのです。国が手を打たなければ国民はバカだからずっと高い通信費を払い続ける、というのは国の思い上がりです。衆愚政治は近代化とともにそぐわなくなりました。

 

現状を見ると、MNO事業の将来は思ったほど暗くないのかもしれません。

 

それではまた!